SAIHATE

こんにちは!
サイハテ村コミュニティマネージャー の坂井ゆうきです!

12月16日の〝ナニコレ珍百景〟にサイハテ村が紹介されましたが、流石のバラエティ番組!「おやつはバッタ」「ワイルドな子供」など、かなーり盛られた内容に、『子どもたちは大丈夫なの?!』という声もあったみたい。

一体どんな教育方針なの!?

なんて聞かれそうなので、ちょっと変わった教育方針だったぼくの親父の話しをしながらサイハテ村の子どもたちについて紹介したいと思います。

親父のちょっと変わった教育論

僕の親父はヒッピーでもない普通の人です。

 

ただ、普通の家庭と違かったのは、ちょっと変わった教育だったこと。

 

親父は3歳まで僕を怒らなかったと言います。

 

そして、何をするにも「反対」したことがありません。それは甘やかすとかということではなく、〝自分で考え、行動の責任を味あわせる〟ということ。だから、弱音を吐いたり、人のせいにしたり、言い訳をする事を良しとしませんでしたし、挑戦と成功と失敗を小さい頃から促すようにしていました。

 

そんな親父が大事にしてきたものを象徴するエピソードを2つお話ししたいと思います。

 

Episode1. 勉強する暇があるなら遊んで来い!

小学生の頃です。放課後、家で宿題をしていた僕を見て、親父ががかけたひと言は「勉強する暇があるなら、外に出て友達作って遊んでこい!」

 

父親は、人生における最大の財産は「友達」である、と、僕によく言って聞かせました。だから、子供の仕事は「遊ぶコト」だと。

 

僕は一生懸命、与えられたその「仕事」をこなしてきました。『今日は誰とどこでどんな事をして遊ぼうか?』『どんな遊びを提案したらみんなが笑ってくれるか?』そんな事ばかり考えて生きてきたのです。この教えは、34歳になった今でも変わっていません。おかげで僕は世界中にたくさんの友達を持ち、お金で買えることができない素晴らしい財産を得ました!

 

Episode2. 女性を守るのが男の役目!

もうひとつは、女の子に対してです。これも小学生だったときの話。いつものように外で友達と遊んでいたのですが、日が暮れてきたのでみんなとバイバイし家に帰りました。すると、父親が「今日は何して遊んだ?」と聞いてきたので、「今日はクラスの女の子6人と遊んだよ!」と答えると、父親は「それは良いな! みんな家まで送って行ったか?」と言うのです。

 

僕が「みんな家の方向もバラバラだし、してないよ」と答えると、父親に「早く戻って、みんなを家まで送って来い!」と追い出されました。

 

女性を守るのが男の役目、女性に手をあげるなんてもっての外! 何があっても絶対手をあげてはいけない守るべき存在なのだと教え込まされました。この教えは父親になった今、息子たちにも教えていることのひとつです。

 

サイハテ村の子育てって?

サイハテ村には9人の子供がいて、それぞれの家庭の中で育てられていますが、1万坪の敷地の中で遊ぶ姿はまるで兄弟のよう。よく遊び、よく笑い、よく怪我し、よく泣きながらもたくましく成長しています!

 

素晴らしい自然環境もそうですが、サイハテ村のコンセプトでもある、“ルールもリーダーもいない村づくり”によって、僕ら大人たちが楽しんで暮らしている。大人たちが楽しんでいるからこそ、子供たちも伸び伸びと遊ぶことができるわけです。

 

ただ、親として気になることがありました。それは、

 

サイハテ村の子供達は小学校に行くのか?ということ。

 

彼らには、枠にはまりきった小学校は窮屈なのではないか? 日本特有の詰め込み式の学習スタイルでは、自分で「考える」力が失われてしまうのではないか? フリースクールやホームスクーリングなどの選択肢も考えていました。

 

小学校に行きたくない?

2年前のことです。サイハテ村から2人の子供が小学校に入学しました。そして案の定、彼らはすぐに「学校に行きたくない」と言ったのです。僕らも無理に行かせるつもりはなかったので、やりたいことをやりたいようにできるように彼らを見守ってきました。

 

半年が過ぎた頃、たびたび様子を見に来てくれる担任の先生が、いつものように学校へ来ないかと誘ってくれていました。「明日は虫を採りに行くんだよ!」とか「勉強は嫌いかな?」と語りかけるも、その子は黙ったまま。

 

なんで黙っているんだろうと思い、僕は先生が帰ってから、なんで小学校に行きたくないのか聞いてみることにしました。

「勉強嫌い?」
「ううん」

「友達がイジメてくる?」
「ううん」

「先生が嫌い?」
「ううん」

「じゃあなんで小学校行かないの?」
「わかんない」

 

どうやら、小学校に行きたくない理由が分からなかったから黙っていたようでした。その後も学校でのことや感じ方などを一緒に考えているうちに、その子は言いました。
「……分かった!」

 

「自分らしくいられないからだ!」

 

小学校1年生がその感覚を理解したことに驚きました。それは小学生だけじゃなく、高校生も、社会の大人でさえなかなか理解できないことのように感じているからです。そして、彼は自分の感覚に従い、小学校に「行かない」と言う選択をしました。

 

自分らしさってなんだろう?

オーストラリア出身の女性モデル Miranda Kerr の言葉に自分らしさのヒントがあります。

 

バラはひまわりになれないし、ひまわりはバラにはなれない。花はそれぞれが独自に美しいのと同じで、女性もそれぞれに美しいの。みんな自分の個性を大切にするべきよ

 

つまり、自分らしさとは個性であるということですが、じゃあ、個性って一体なんでしょう?

 

僕は「生き様」だと思うのです。バラもひまわりも、種のままではあまり変わりません。バラやひまわりは、成長を通して個性という花を咲かせるのです。

 

成長の芽を切らないで!

子供らしさとは本来、好奇心旺盛で活動的で、自己中心的で喜怒哀楽がはっきりしたものです。彼らは「やってみる」中で物事を理解し、社会性を知り、個性を育んでいきます。

 

たとえば、子供が泥遊びをしていたとします。彼らは土と水の魔法に魅せられ全身全霊で遊んでいます。体験を味わい尽くしているのです! そこに、母親がやってきてこう言います。「最悪! 汚いからやめなさい! 一体誰が汚れた服を洗濯すると思ってるの?! 服シミになっちゃうじゃない〜」

 

こんなことを突然言われた子供は、こん棒を持った怪物に頭を叩かれたように放心状態になります。花ならば芽吹き出した芽をチョキンと切られたようなものです。子供は自分らしさを肯定できず、自信をなくしていきます。こんなようなことが、そこら中で起こっているのです。

 

家事や仕事が忙しいのは分かります。子供にはもっと自由でいてほしいと願いつつも、自分自身が「自分らしく」いられない環境に疲れてしまうからなのだと思います。

 

いつもは無理かもしれませんが、無意識にならないでほしいと思います。大人の都合で子供を縛り付けてしまったと気づいたとは、なぜそうしてしまったのか子供に伝え、謝りましょう。

 

子育ては子供を育てるだけじゃなく、親自身も学びきれなかった「子供心」を育んでいくものだから。

 

最後に

今年の4月、我が家に3人目の子どもが産まれました。

僕は親父のように「勉強するな!」とは言いませんが、長男は小2になり、1年通っていた学校についに行かなくなりました。

 

勉強しないで大丈夫なのか?という心配はありません。

 

ただ、みんなと違う生き方を選ぶということは、自分で道を切り開いていくということ。楽な道ではありません。この間も7歳の息子が、『何が楽しくて、どう生きればいいか分かんないだよー!』と叫んでいました。

 

父親になった今、子供たちにはどんな「場所」や「環境」でも《自分らしさ》を失うことなく、輝くことができるように、強くたくましく育ってほしいと願っています。